ミクリッツ病と判明するまで2

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ミクリッツ病と判明するまで1 1から読まれていない方は1からどうぞ!

助産所へ相談

3人目を産み、間もなくしてまぶたが腫れてきた私。

きっと産後の肥立ちが悪いのだろう。

出産した助産所へ電話をして助産婦さんに相談した。
電話口の助産婦さんは同じ時に入院していたもう1人のママも
同じくまぶたが腫れてきたと電話があったよと笑う。

そのママとは、廊下で何度か顔を合わせるうちに仲良くなり、一緒に写真を撮ったりして入院生活を楽しませてくれた同じく男の子を出産したママ。

(やっぱりなぁ)
誰かも一緒だと何となく安心する。

そのママにも助産婦さんは「むくみには小豆の煮汁がいいよ」

とアドバイスしたとの事で私にも作り方を教えてくれた。
助産所のこういう薬に頼らない自然派のとこが好き。
だから3人共、助産所選んだ。

作り方は超かんたん。
カップ1/2ほどの小豆を、1リットルほどの水を入れ沸騰させて弱火でコトコトゆでるだけ。
小豆が柔らかくつぶれるようになったら出来上がり。
少しどろっとした赤い汁が「小豆の煮汁」
私はこれを温かいままと、残りはペットボトルに入れ冷やして保存して飲みました。
ゴクゴク飲みました。

ゴクゴク、ゴクゴク。。

でも治らなかった。
そう、むくみではなかったのだから。

様々な専門医に見てもらう

この後もまぶたが腫れたままの私は
眼科、皮膚科、形成外科など色々な病院にかかるが原因がわからず「腫れてない」と医者に言い切られる事もあった。

形成外科では誤診で手術までされ、局所麻酔での手術中に看護師に「大丈夫ですかーーー!!!」と
たたき起こされるという事態まで起こった。気絶?(笑)

同時期に元々悪かった鼻も悪化したのか、匂いを感じていないことに気が付き、耳鼻科にも通った。
あんなに臭い臭いと掃除していた風呂場の排水溝の匂いが感じられなくなっていた。

匂いがしない事を訴えると、俗にいう「にんにく注射」をしばらくの間、打ちに来てとの事で小さい次男を連れて毎日通った。
腕の静脈から注射。
鼻の奥にツンと感じたら看護師さんに伝えます。
久々に嗅覚が働く感じ。匂いがしないとご飯も半分美味しくない。
そして、この注射をしていると確かに元気になる。
よくスポーツ選手が打つと聞いていた。

何日か毎日通った後、15日以上打っていた事に先生が気づき、慌てて「今日で中止!」となった。

長男も小さいころから通っていた耳鼻科。
長男も根気よく通い中学生になったころ急に良くなった。
何かスポーツ始めたかと聞かれた。
部活で野球を始めた長男。スポーツをして鼻が治る例があるそうだ。

わが家系は父から私、弟とみんな蓄膿症と診断されて小さいときは混雑する耳鼻科へ何年も通っていた記憶がある。

母は小学校低学年の私を1人で耳鼻科に置いて行った。
幼く気が弱かった私は、先生からの経過を聞く質問に答えられずにイライラした先生に乱暴に診察された。
今でも忘れられない恐ろしい記憶。
迎えに来た母の「どう?お鼻気持ちよかった?」の質問にも、うつむいて「うん…」としか答えられなかった。

住んでいた隣町の駅前にあった耳鼻科。
評判が良くて混んでいたんだろう。母となった今はこれが自分の子供にされたらと思うと心が痛い。
幼いころの自分って可哀想に思う事ばかり。

自分の子には絶対にこんな思いはさせたくない。
自分の辛かった経験も我が子に生かすことが出来る。

その耳鼻科の先生が住んでいた豪邸が私が保育園入園するまで住んでいた長屋の近くにあり、5月頃には立派な鯉のぼりが上がっていた。
鯉のぼりだけではなく、将軍旗、大小とカラフルな吹き流しまで。
幼い私でも大事な男の子がご誕生されたんだなと思った。
その子も私と同年代か少し年下だろう。耳鼻科を継いでいるのだろうか。

元々の甲状腺疾患

私は小学3年の頃、甲状腺疾患にもなった。
だから健康な人よりは、たくさんのお医者さんを見てきた。
お世話になった先生もたくさんいるし、母の友達の紹介で行ったインチキ臭い病院のインチキ臭い医者もいた。
大人になって医者に泣かされたこともある。
もちろんお医者さんも普通の人間だし相性もあるし、その時の機嫌もあるだろう。

主治医にまぶたの腫れを相談

そんな中、私が大好きな先生の1人が甲状腺疾患専門病院で主治医になった女の先生。
私より少し年上かな?髪を一つで後ろに結び派手さの無い、研究者っぽい柔らかい関西弁の先生。

まぶたの腫れも気になっていたが私にはこの頃、甲状腺の方が深刻だった。
甲状腺は腫れあがりシャツの第一ボタンも閉められず、下も向けないほどになっていた。

この女の先生に甲状腺を全摘する手術をしてもらったのだが、優しくて明るくて
どんな質問にも答えてくれて大好きで、本当にこの先生ならもし失敗して死んでもいい。とさえ思った。

手術が済み、その後の経過も順調になったころ、この先生にまぶたの腫れを相談した。
すると、この甲状腺専門病院にも眼科の先生が週1回来てるからと、診てもらうことになり、その診察日に再診した。

病名がやっと判明した

若いが風格のある男の先生。
物腰も柔らかで育ちの良さが染み出てる。(気がする)

診察してものの数分で

「ミクリッツ病。匂いもしないでしょ。」

すごい!すごい!すぐ病名がわかったよ!
何年もわからなかったのに!
まぶたの腫れと匂いがしないのは、同じ病気から来ていたんだ!

病気がわかって喜ぶなんておかしいかもしれないけど、この時は本当に喜んだ。
ただ、この時に戻れるのならば
この後の治療をしない選択をしたかもしれない。